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水性インクは多種多様

特殊インク

色素オオタ・オータスです。

今回はインクについてお話したいと思います。

Tシャツプリントに使われるインクは大きく分けてプラスチゾルインクと水性インクの2種類になります。

プラスチゾルインクは目詰まりが少なくインクの発色も良い反面、熱処理する為の機材と版や道具の洗浄に有機溶剤が必要になります。
水性インクは多種多様のインクがあり様々な質感を楽しめます。洗浄も水で洗い流せるので手軽ですが、インクの乾燥が自然に進むので目詰まりに注意しながら作業する必要があります。

この2種類より私たちが製造・販売している水性インクについてお話させていただきます。

水性インクはバインダー(糊)に顔料(色)を混ぜたものになります。そしてこのバインダーを替えることで質感・性能・性質を変えることができます。

・ラバー系のインクは生地の上にインクが乗るイメージで生地の影響を受けにくく発色が良いのが特徴です。
発色がよく擦れや洗濯にも強いので、Tシャツプリントなどによく使われます。

・染み込み系のインクは生地に染み込むことで風合いがよく柔らかい仕上がりが特徴です。
タオルなど毛足の長いものや、手触り肌触りの良さを求める場合に使われます。(濃色生地に対しては発色が弱くなる場合もございます。)

・撥水系のインクは撥水加工された生地にも使用でき定着力や伸縮性が良いのが特徴です。
ナイロンなどの撥水加工されたものに使われます。(必ずしも全ての撥水加工のものに使えるわけではございません。)

・ブラックライトインクはブラックライトに反応して発光するインクです。
ブラックライトという特殊な条件下で浮き上がる仕掛けデザインが可能です。

・金粉系のインクはは金粉の防錆効果があり銀粉やグリッターの使用も可能です。
金色や銀色、ラメなど華やかなデザインに使われます。

・発泡系のインクは熱処理させることで膨らみ立体的な表現が可能です。
熱処理により印刷面が立体的でオリジナリティのあるデザインに使われます。(熱処理やデザインによっては均一に膨らまない場合もございます。)

・消えるインクは水洗いすることで消えるインクです。
刺繍の下絵など、最終的にインクを消してしまいたい場合に使われます。

このような一般的な素材向け・特殊な性能を持つインク等、この他にも様々なインクを製造・販売させて頂いております。

機能性インク一例

私達はインクのお問い合わせ時に「どのような色で、どのようなデザインを、どのようなものに刷るのか」を伺っています。

まずは色味から。例えば赤色と言ってもそれぞれ思い浮かぶ赤色は微妙に違うはずです。その違いをなくすためにDICカラーガイドなどの色見本での番号指定や、可能ならオーダーされた色の現物をお送りいただいています。写真や画像では写りの加減や光、ディスプレイの発色によりオーダーされた色とは微妙に違う可能性がでてしまう為です。

次にデザインに関して。ベタ面の多いデザインを刷るのか、細かなデザインを刷るのか。また使用するメッシュ数はなにかでバインダーを替えたり、擦り手の好みの問題の方が大きいですが刷るデザインによってインクの粘度を調整すると刷りやすくなります。

素材に関して。素材によっては隠蔽力が悪いなどと言ったりもしますが下地が透けてしまいインクが綺麗に発色しないことや、そもそもインクが定着しないということもあり得ます。そういったことを防ぐために素材によってバインダーや色味を調整します。

この3つを踏まえて、前述したような様々な質感・性能・性質をもったバインダーを選定し、本当にお客様が望むインクを製造させていただきます。

こんな色のインクが欲しい。こんな素材に綺麗に刷ることのできるインクは。など色々な要望に応えられるインクをこれからも提供していきたいと思っています。

次回は調色(色合わせ)についてお話しできたらと思います。

株式会社 色素オオタ・オータス

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